長崎皿うどんとは
長崎皿うどんは、福建料理の炒肉絲麺というものがルーツなのだそうです。
ちゃんぽんよりも出前しやすいようにと、スープが少なく、焼きそばのような料理だったのだとか。
スープを少なくするためには、ちゃんぽん玉にスープを吸わせるように炒める、という調理方法で、でもそれは時間がかかったため、揚げ麺に餡をかけるというスタイルに変わり、今のような細麺皿うどんが登場したのだそうです。
太麺皿うどんも、スープを吸わせる方法ではなく、ちゃんぽん玉を炒った後に餡をかける調理法に変わっていき、
現在のような形に・・・。
皿うどんのネーミングは、初期の皿うどんに由来していて、麺が太くうどんのようで、うどんは普通、器に入れて出てきますが、この料理は皿に盛って出されるので、「皿うどん」という名前になったそうです。
長崎皿うどんには太麺と細麺がある
長崎で皿うどんを注文するときは「太麺ですか?」「細麺ですか?」と聞かれます。
太麺皿うどんは、ちゃんぽん玉を炒ったものに、野菜餡をかけたもの。
太麺のちゃんぽん玉には唐灰汁が入っていますが、皿うどんの細麺の麺にも唐灰汁が入っています。
このような感じになり、野菜餡をかけると皿うどんに細麺皿うどんに・・・。そのまま食べても子どものおやつになります。塩をかけても美味しいです。
細麺の魅力は、すぐに食べると、パリパリの麺の食感と餡のとろみの差が心地よく、しばらくすると、餡が麺にしみこんでいき、とろとろの食感にかわるところです。2日目の皿うどんの方が好きという方は結構いらっしゃいます。
長崎皿うどんは甘い
長崎はその昔、砂糖が一番最初に手に入るところでした。比較的に砂糖が手に入りやすい土地柄だったということからか、長崎の料理は甘い味付けが多いのです。
そのひとつが皿うどん。皿うどんの調味には砂糖がかかせません。
ほのかな甘味を中和するかのごとく、かけるのがソース。皿うどんにソースをかけるのが定番の食べ方ですが、そのまま甘味を味わいたいという方も結構おられます。
出前の時は、角瓶に入れて持って行きます。昔は栄養ドリンクのような小瓶に入れて持って行っていたのですが~。
ソースだけじゃなく、酢で食べる方もおられます。いろんなスタイルを楽しむことができるのが、皿うどんの魅力だと思います。
長崎皿うどんは宴会料理
長崎市における皿うどんの役割は、宴会料理。
盆、暮れ、正月に、長崎へ帰省され、家族がにぎやかに集うと、「どれ、皿うどんでも取ろうかい」と、なるのです。
順天でも、盆、暮れが一番忙しい時期。5人前、10人前と出前の注文が入ります。
うちのお店で一番大きいお皿は5人前で、10人前だと5人前のお皿を2皿、風呂敷で包んで出前に走ります。
順天だけでなく、どの皿うどん屋さんも忙しい盆、暮れの皿うどんの出前。その光景は、長崎の風物詩です。
人が集まるとき、皿うどんを囲んで、暖かいひとときはいかがですか?
順天では、具だくさんにした、贅沢づくりの八宝皿うどんのご用意しております。
ぜひご賞味ください。